SAI インタビュー
第3回 井田亜彩実
第3回は、SAI 2024コンペティションで、黒須育海さんとのデュオ作品『Salt with Classic』で優秀作品賞を受賞され、韓国やマカオのフェスティバルに招聘された井田亜彩実さんです。

撮影:大洞博靖
☆ SAI について
1. SAI に応募しようと思った動機を教えてください
黒須くんからSAIに作品を出してみたい、とお話を受けたことがきっかけです。SAIは国内だけでなく、国外へのコネクションが強いことから、海外に発信できる作品が創れたら、そのきっかけがあればと応募しました。
2.海外公演で得たことはありますか
難しかったのは、短時間でのテクニカルリハーサルでして、英語が少しは話せるとしてもニュアンスや、細かいタイミングなどの擦り合わせに苦労しました。そして、この作品は目立ってスキルを際立たせる内容ではないため、日本人ならではの哀愁であったり、ふとした仕草だったりを伝えるのことの難しさを感じました。
3. SAI での経験はこれからの活動にどのように⽣かせそうでしょうか
まずは、作品を創るという1番大切なモチベーションを頂きました。また、気がつけば黒須くんと私は若手という年齢でないため、どのような作品を創るかと、悩みました。もちろんスキルベースの身体勝負の作品は創ることはできたかもしれませんが、そうではない、自分たちが今までやってこなかったクリエーションに向かえたのはこの機会があったからこそです。この新しいものを創り上げるという心意気は様々な現場で活かしていきたいですし、守りに入らず日々チャレンジしていきたいという心意気が芽生えました。
4. これからコンペティションに参加する⼈への⾔葉をおねがいします
ダンサー思考の方であっても一度は作品を創ることはおすすめします。ダンサーとしての自分、作品の重み、全ての責任を担うという経験はそう簡単にはできませんし、だからこそ担って欲しいと思います。それは絶対に自分のダンス人生の糧にもなるし、振付家の想いもわかると思います。そして何よりも、無から立ち上がる表現世界の尊さを感じて欲しいと思います。
☆ダンスについて
1. どんなダンスをやりたいですか
常に些細なことでも何か新しい着眼点、思考で生み出したいと思っています。
2. ダンスで⼤切にしていることはなんですか
その瞬間瞬間に生まれる動き、感情です。再現性のない、最も儚く、2度とは味わえないものです。
3. ダンスでやりたいことはなんですか
常に観客、ダンサー、空間、スタッフ全てが一体となった環境をつくりたいです。


